2: アライメント用点光源

(2018/10/6掲載)

光学系を組むときに、ガイドとして平行光線が便利であることは第1項で述べたが、逆に理想的な点光源が欲しくなる場合もある。たとえば、一点から出た光をレンズ系やミラー系を使って遠くの一点(たとえばピンホールや分光器のスリットなど)に絞り込むときである。ピントの合い具合をチェックするためには、ある程度発散角の大きい光束が必要になる。レーザー、凸レンズ、ピンホールを組み合わせれば実現できるが、機動性を考えると光ファイバー方式が断然便利である。ファイバーの入力端にレーザーと凸レンズが必要なので、構成要素はあまり変わらないが、ファイバーの方が取り回しが楽であるし、入射側の光学系がいい加減でも、ファイバーを通っている間にビームパターンがきれいになってしまうというご利益もある。

図1 ファイバー式点光源の概略

 

図2 コア径約50μmのマルチモードファイバーなので、ガウシアンビームにはならないが、ファイバーから出た光はきれいな円いパターンになっている。

 

図3 使用している光源は第2項に挙げたもののうち小型の方。各パーツは30mmAlアングルの上にネジで固定している。LDについているレンズを調整してファイバーの先端にフォーカスしているので凸レンズは不要である。レンズつきでないLDの場合は、LDの先端かホルダーに小さいレンズを接着する。ミラーホルダーのネジは六角レンチで回す仕様であるが、指で回しやすいようにビニールコードの被覆部分(赤)をかぶせている。

材料:

  • LD:前項で紹介したANBE 5V IIIA 650nmなど
  • ミラーホルダー:ソーラボ
  • 光ファイバー:ソーラボM42L01(¥~9000)など
  • Alアングル30mm
  • ファイバーを止める金具(写真は自作)